日本の教員と韓国の小学校の交流事例 (杉山葵先生及びソウル土城小学校編②)
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日韓文化交流基金主催の日韓の教員同士の交流事業(日韓学術文化交流事業訪日/訪韓団)の波及事業を紹介いたします。
当基金が実施した、日韓の教員を対象とした訪日及び訪韓事業に参加された両国の先生同士の交流がきっかけとなり、日本側の先生が韓国の小学校で模擬授業を行うなどの交流が実現しました。
本交流について、東京都稲城市立平尾小学校の杉山葵先生と、受入れ校となったソウル土城小学校の朴種渙(パク・ジョンファン)先生にインタビューしました。
【韓国側:朴種渙先生】
●杉山先生の模擬授業を受けた児童たちの反応はいかがでしたか
杉山先生の授業は1学期に計画し、児童たちにはすでに案内してありました。新学期が始業するなり、児童たちはもうじき杉山先生に直接会えるということを毎日期待しながら来訪日を待っていました。「杉山先生と話してみたい」と日本語の勉強をする児童もいれば、「もっときれいな教室を見せたい」と自発的に掃除を頑張る児童もいました(笑)。

杉山先生は5時間目にイントロダクションとして日本に関することを簡単に紹介し、6時間目には日本の遊びをテーマに授業を進めました。言語は、基本的にはこの日の授業のために熱心に準備してくださった韓国語で行われ、より詳細な説明が必要な部分にのみ日本語が使われました。授業は全体的に充実した内容で構成されており、日本についてより深く知る機会となりました。テーマの多くが児童たちにも面白く興味深い素材だったと思います。なかでも、特に児童たちに印象的に残ったのは、富士山が自然遺産ではなく文化遺産であるということ、また、浴衣と着物の違いについてもともと知っていた内容とは異なっていたため、そこから得た学びが新鮮だったようです。そして、日本の早口言葉や体を動かしながら学んだ日本語などは面白く、日本語に触れて親近感を感じるきっかけにもなりました。
杉山先生が日本に帰国された後も、児童たちはしばしばその時の授業について楽しく話しています。なかには、「次はいつ来るのか、その時は日本語をもっと勉強して杉山先生ともっと長く話してみたい」とかわいらしい抱負を話したりしています。
●他の先生方の反応はいかがでしたか
杉山先生による授業を計画した時、国際交流に関心がある同僚たちから授業参観が可能かどうかについて問い合わせを受けました。韓国の学校で日本人の先生が直接授業をする光景はなかなか接することができないからです。韓国の先生方は授業がどのような形で行われ、どのような内容を扱うのかについて、特に深い関心を示していました。
そして当日、実際に何人かの先生方が授業を見学しに教室を訪ねてきてくれました。一部は教室の外で静かに参観され、何人かの先生は直接教室の中に入ってきて、一緒に参加されました。来られなかった先生方は、次の日に私に連絡をくださって、「どのような授業が行われたのか教えてほしい」と話される方もいらっしゃいました。
韓国の先生方の多くは、このような授業が児童たちの視野を広げ、世界市民としての教養を育む良い機会だと話されていました。また、「機会があれば自分もぜひ実施したい、このような国際交流授業が一つのクラスを対象だけに行われるのではなく、時間と資源をかけてより多くのクラスに機会が与えられるように拡大されればよさそうだ」という意見をくださいました。
●今後の計画がありましたら教えてください
今回の杉山先生の韓国訪問及び本校での模擬授業は、日韓国際共同授業の一環として行われました。直接対面授業を行う前に、本校の6年5組と平尾小学校の6年2組の間では、すでに複数回にわたり交流授業を行いました。オンラインを通じて、それぞれの学校と学級生活に関する授業を行い、直接書いた手紙を1対1で送り合うペンパルプロジェクトも行いました。また、児童たちの簡単な特技披露と自分が住む町や日常について紹介する発表授業も行いました。そしてある程度関係が構築され、成熟したラポールが形成された頃に、杉山先生をお迎えすることになりました。
2学期にもこの流れを継続し、もう少し深いテーマで交流授業を進めてみようと思います。杉山先生との授業に関する協議では、児童同士が互いの文化をよく理解できるよう、様々なテーマを選定し、児童たちが直接発表資料を作って紹介する時間を持とうと計画中です。そして、交流授業を複数回実施した後、来年1月には私が平尾小学校を訪問して対面授業をする予定です。杉山先生の授業からヒントを得て、韓国について多角的な側面から簡単に紹介するとともに、韓国の遊びについても児童と共に楽しみながら紹介してみようと思います。

今学期は土城初等学校6年5組の児童にとっても、平尾初等学校6年2組の児童にとっても、小学校で過ごす最後の学期です。まもなく卒業して頼もしい中学生になることでしょう。私は彼らの小学校最後の担任として、より意義深い時間をたくさん作ってあげたいと考えています。杉山先生と共同で実施している交流授業も、児童たちにとって卒業後にも心に残る楽しい思い出の一つになればと思います。
当基金は、今後も平尾小学校と土城小学校の交流が末長く続いていくことを願っております。
取材にご協力いただきました先生方、ありがとうございました。