【リポート】JENESYS2025 韓国青年訪日団(第1団)

ニュース青少年交流事業

「日韓国交正常化60周年~福島と北海道における日韓交流」をテーマに、在韓国日本大使館が選抜した大学生等30名からなる「韓国青年訪日団(第1団)」一行が8泊9日(7月8日~16日)の日程で来日しました。福島県と北海道で同世代の日本の大学生をはじめ、さまざまな年代の方と交流する機会を持ちました。


<「最近の日韓関係」関連講義聴講>

仙台から入国した初日の7月8日には、オリエンテーション後に、外務省の方による「最近の日韓関係」についての講義をオンラインで聴講しました。質疑応答では日韓関係をはじめトランプ関税、日米韓協力、北朝鮮とロシアの接近などについてさまざまな質問が飛び交い、大変有意義な時間となりました。


<福島県庁表敬訪問>


<「NPO法人ふくかんねっと」鄭鉉淑(チョン・ヒョンスク)理事長の講義聴講>

同日午後は福島と韓国の交流に四半世紀にわたってご尽力されてきた「NPO法人ふくかんねっと」の鄭鉉淑(チョン・ヒョンスク)理事長から講義いただきました。東日本大震災後、韓国とどのように向き合い交流してきたか等を中心に、草の根市民交流ならではの交流のあり方等についての充実した内容で、多くの質問が寄せられました。
二回の講義共に、団員たちが真摯に講義を聴き、レベルの高い質問を次々と発する様子に、福島県庁の方々も鄭鉉淑理事長も驚いていました。講義を通して、団員たちの福島への理解が大いに深まったようです。


<福島大学学生の皆さんと赤べこ絵付け体験>

7月10日は福島大学を訪問しました。団員たちだけでなく、福島大学の皆さんも団員との交流を心待ちにしていた様子で、開会セレモニー前から自然と交流が始まっていました。グループ別にキャンパスツアーを行った後、学食で一緒に昼食を取り、午後は一緒に赤べこ絵付け体験と、あっという間に1日が過ぎました。
閉会時の感想発表では、何人もの団員が、福島が好きになり、福島の良さを発信していきたいと力強く語り、また両国の学生が一生の思い出となる経験になったと話していました。韓国人との交流が初めてだったという福島大学の学生の皆さんも多く、お互いに貴重な交流の機会となったようです。


<会津若松でのフィールドワーク交流>

7月11日は、福島近郊に住む日本人大学生17人が合流し、総勢50名で交流しながら会津若松市内でフィールドワークを行いました。鶴ヶ城、会津武家屋敷、七日町通り、さざえ堂等を含む飯盛山エリアを巡り、会津の歴史と文化はもちろん、白虎隊を通じて日本の近現代史についても学びました。


<福島市民の皆さんとの交流会>

夕方からは、「NPO法人ふくかんねっと」が準備してくださった福島市民の皆さんとの交流会です。韓国語を学ぶ中学生から70代の方までと様々な年代の方々30名程が集まり、訪日団の皆さんのために、流しそうめん、お好み焼き、焼き鳥、カレーライス、キムパブ、チャプチェ、手作り桃ソースのかき氷、糖度の高い大きな桃などを準備してくださいました。食事後は全員で盆踊りに参加し、大いに盛り上がり、大成功の交流会となりました。これぞ草の根市民交流の醍醐味!団員たちはすっかり福島のファンとなったようです。

7月12日には札幌へ移動。午後の対面式を経て、いよいよ待ちに待った2泊3日のホームステイがスタートしました。7月14日朝までの2泊3日間、美瑛や富良野まで訪れた家庭もあれば、バーベキューや浴衣体験などさまざまな思い出を作りました。ある団員は、仲良くなったホストファミリーの娘さんから「来年予定している結婚式の披露宴にぜひ参加してほしい」と言われたそうです。


<北海道教育大学札幌校での発表・意見交換>

7月14日には北海道教育大学札幌校を訪問しました。プログラムは同大学学生の皆さんの案内によるキャンパスツアーから始まりました。学食でランチを共にしながら交流し、午後は同大学の日本人学生による発表を聴き、質疑応答を通じて意見交換を行いました。最初のテーマは地域の特性を背景とした「へき地教育」について、2つ目のテーマは、日本史の教師を志す男子学生2名の発表です。日韓の歴史問題における韓国側の立場を理解するために、2人で韓国内の史跡や博物館等数カ所を訪問した際の感想を伝えつつ、「日韓の友好を築くためには文化や若者の交流のみならず、歴史の問題にも焦点を当てるべきで、そのためには教育現場でこれらをいかに伝えていくかが重要ではないか」と締めくくり、団員たちから大いに共感を得て、質疑応答も活発に行われました。


<駐札幌大韓民国総領事館表敬>

7月15日は北海道庁を表敬し、国際交流員の方から北海道の概要と魅力についてのレクチャーを受け、その後は駐札幌韓国総領事館を表敬しました。総領事表敬のほか、公共外交担当の領事から在外公館の役割と業務、北海道と韓国の関係、日韓関係の重要性等についてお話いただきました。最後の視察先として、昨年から2年連続で「日韓ドリームプレーヤーズゲーム」*が開催される予定のエスコンフィールドHOKKAIDOを視察しました。
*「日韓ドリームプレーヤーズゲーム」は日韓のプロ野球レジェンド選手たちが出場する親善試合


<エスコンフィールドHOKKAIDO視察>

訪日団最後のプログラム、今回の訪日を振り返る成果報告会では、「福島に行って大丈夫かといった周囲の否定的な声も多く、自分も正直怖いと思う部分があったが、実際に行ってみると韓国のネットやマスコミとは正反対の姿がそこにあった。福島の人々とふれあい、歴史や文化を学び、美しい自然や美味しい食事に接して誤解を払拭することができた。福島は既に復興しており、その回復力に驚き、食品に対しても世界で一番厳格な基準を適用して徹底的に検査している事実を知った。これらのことを帰国後、周囲にしっかり伝えていきたい」と力強く語ってくれました。

【日程表】韓国青年訪日団(第1団)

【報道記事紹介】JENESYS2025 韓国青年訪日団(第1団)